ここで、もう1つの象徴が紹介される。預言者は、次のように言って
いる。「わたしはまた、ほかの獣が地から上って来るのを見た。それに
は小羊のような角が2つあっ」た(ダニエル 7:11)。
この獣の外見と出現の模様はともに、それが表している国家が、それに
先だってさまざまの象徴のもとに表された国々とは異なっているという
ことを示している。世界を支配してきた強国は、「天の四方からの風が
大海をかきたて」た時に現れた猛獣として、ダニエルに示された
(ダニエル 7:3)。
黙示録 17:では、天使が、水は「あらゆる民族、群衆、国民、国語」
を表わしていると説明した(黙示録 17:15)。風は、争闘を象徴し
ている。天の四方からの風が大海をかきたてるとは、諸国が権力を握る
ために起こした征服と革命の恐るべき光景を表している。
しかし、小羊のような角をもった獣は、「地から上って来る」のが見え
たのであった。このように表される国は、自国を確立するために他の諸
国を覆すのではなくて、まだだれにも占有されていない領土に起こり、
徐々にまた平和のうちに成長する国でなければならない。したがって、
旧世界の込み合った争い合う国々の中、すなわち、あの「民族、群衆、
国民、国語」の荒海の中からは起こり得ないのである。それは、西半球
の大陸に求められねばならない。
1798年に、新世界のどんな国が、勢力を伸ばし、将来強大な国家に
なる可能性を示して、世界の注目を集めていたであろうか。この象徴
が、どの国に適用されるかは、実に明白である。この預言の指示すると
ころに合致する国は、ただ1つしかない。それは、疑いもなく、アメリ
カ合衆国を指している。
獣は、「地から上って来る」のが見えた。そして、翻訳者たちによれば、
ここで「上って来る」と訳されている言葉は、字義どおりには、「植物
のように成長する、または、生える」という意味である。そして、すで
に見たように、その国は、どの国にも占有されていない領土に起こらな
ければならない。
引用はエレン・G・ホワイト著「各時代の大争闘」 CD-ROM福音社版より。段落わけや背景色は投稿者による。
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