第三天使は、神の戒めを守り、イエスを信じる信仰を持ち続ける者と
は対照的に、別の一団を指摘している。そして彼らの誤りに対して、厳
粛で恐ろしい警告が発せられている。「おおよそ、獣とその像とを拝み、
額や手に刻印を受ける者は、・・・・神の激しい怒りのぶどう酒を飲」む
(黙示録 14:9、10)。
このメッセージを理解するには、ここに用いられている象徴を正しく解
釈することが必要である。獣、像、刻印とは、いったい何を表わしてい
るのであろうか。
これらの象徴が用いられている一連の預言は、黙示録 12 : から、
キリストを誕生の時に滅ぼそうとした龍から、始まっている。龍は、サ
タンであると言われている(同 12:9)。救い主を殺すためにヘロデ
を動かしたのは、サタンであった。しかし、キリスト教時代の初期にお
いて、キリストと彼の民に戦いをいどんだサタンの主力は、ローマ帝国
であり、そこにおいて最も有力な宗教は、異教であった。こうして、龍
は、第一義的にはサタンを表わすが、第二義的には異教ローマの象徴で
ある。
第13章(1―10)にはもう1つの獣が描かれていて、それは「ひ
ょうに似ており、」龍は、「自分の力と位と大いなる権威とを、この獣
に与えた。」この象徴は、たいていのプロテスタントが信じてきたよう
に、かつて古代ローマ帝国が握っていた力と位と権威とを継承した法王
権を表わしている。ひょうに似た獣について、次のように言われている。
「この獣には、また、大言を吐き汚しごとを語る口が与えられ、・・・・そ
こで、彼は口を開いて神を汚し、神の御名と、その幕屋、すなわち、天
に住む者たちとを汚した。そして彼は、聖徒に戦いをいどんでこれに勝
つことを許され、さらに、すべての部族、民族、国語、国民を支配する
権威を与えられた。」ダニエル 7:の小さい角の描写とほとんど同じで
あるこの預言は、疑いもなく法王権を指している。
「4 2か月のあいだ活動する権威が与えられた。」 そして、「その頭
の1つが、死ぬほどの傷を受けた」と預言者は言っている。また、「と
りこになるべき者は、とりこになっていく。つるぎで殺す者は、自らも
つるぎで殺されねばならない」とある。42か月は、ダニエル 7:の
「ひと時と、ふた時と、半時の間」、つまり3年半、すなわち1260日
と同じで、その期間のあいだ、法王権は神の民を圧迫するのであった。
この期間は、すでに述べたように、法王権が至上権を握った紀元538年
に始まり、1798年に終わった。この時、法王はフランス軍の捕虜に
なり、法王権は致命的な傷を受けた。「とりこになるべき者は、とりこ
になっていく。」
法王権の歴史上の事実が預言されています。法王はフランス軍の捕虜になり、そのことが「死ぬほどの傷を受けた」と預言されています。
引用はエレン・G・ホワイト著「各時代の大争闘」 CD-ROM福音社版より。段落わけや背景色は投稿者による。
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