1 そこで天国は、十人のおとめがそれぞれあかりを手にして、花婿を迎えに出て行くのに似ている。
2 その中の五人は思慮が浅く、五人は思慮深い者であった。
3 思慮の浅い者たちは、あかりは持っていたが、油を用意していなかった。
4 しかし、思慮深い者たちは、自分たちのあかりと一緒に、入れものの中に油を用意していた。
5 花婿の来るのがおくれたので、彼らはみな居眠りをして、寝てしまった。
6 夜中に、『さあ、花婿だ、迎えに出なさい』と呼ぶ声がした。
7 そのとき、おとめたちはみな起きて、それぞれあかりを整えた。
8 ところが、思慮の浅い女たちが、思慮深い女たちに言った、『あなたがたの油をわたしたちにわけてください。わたしたちのあかりが消えかかっていますから』。
9 すると、思慮深い女たちは答えて言った、『わたしたちとあなたがたとに足りるだけは、多分ないでしょう。店に行って、あなたがたの分をお買いになる方がよいでしょう』。
10 彼らが買いに出ているうちに、花婿が着いた。そこで、用意のできていた女たちは、花婿と一緒に婚宴のへやにはいり、そして戸がしめられた。
11 そのあとで、ほかのおとめたちもきて、『ご主人様、ご主人様、どうぞ、あけてください』と言った。
12 しかし彼は答えて、『はっきり言うが、わたしはあなたがたを知らない』と言った。
13 だから、目をさましていなさい。その日その時が、あなたがたにはわからないからである。(マタイによる福音書25:1~13)
たとえの中で、婚宴はキリストが御国を受けることを表しています。花婿の到着とは、御国を受けるためにキリストが婚宴の席に到着したこと、を意味します。婚宴の席に到着したキリストは、日の老いたる者=父なる神から御国を賜ることを表しています。
わたしはまた夜の幻のうちに見ていると、見よ、人の子のような者が、天の雲に乗ってきて、日の老いたる者のもとに来ると、その前に導かれた。
彼に主権と光栄と国とを賜い、諸民、諸族、諸国語の者を彼に仕えさせた。その主権は永遠の主権であって、なくなることがなく、その国は滅びることがない。(ダニエル書7:13,14)
ダニエル 8: 1 4に示されているところの、キリストがわれわれの
大祭司として、聖所を清めるために至聖所に来られるということ、ダニ
エル 7:13に提示されている、人の子が日の老いたる者のもとに来る
ということ、そしてマラキが預言した主がその宮に来られるということ、
これらはみな、同じできごとの描写である。
そして、これはまた、キリストがマタイ25章の10人のおとめのたと
えの中で語られた、婚宴の席への花婿の到着ということによっても表さ
れている。
ダニエル8:14「二千三百の夕と朝の間である。そして聖所は清められてその正しい状態に復する」
18 4 4年の夏から秋にかけて、「さあ、花婿だ」という宣言が発せ
られた。その時に、思慮深いおとめたちと思慮の浅いおとめたちによっ
て表されている二種類の人々が現れた。すなわち、主の出現を喜んで待
ち、主に会う準備にいそしんだ人々と、恐怖にかられて衝動的に行動し、
真理の理論だけに満足して、神の恵みに欠けていた人々とであった。
たとえの中では、花婿が来た時に「用意のできていた女たちは、花婿と
一緒に婚宴のへやにはい」った。
ここで示されている、花婿の到着は、婚宴の前に起こる。婚宴は、キリ
ストがみ国をお受けになることを意味している。
み国の首都でありその代表である聖なる都、新エルサレムは、「小羊の
妻なる花嫁」と呼ばれている。天使は、ヨハネに言った。
「さあ、きなさい。小羊の妻なる花嫁を見せよう。」「この御使は、わ
たしを御霊に感じたまま、・・・・連れて行き、聖都エルサレムが・・・・神の
みもとを出て天から下って来るのを見せてくれた」とヨハネは言ってい
る(黙示録21:9、10)。
したがって、明らかに、花嫁は聖都を表し、花婿を迎えに出るおとめた
ちは、教会の象徴である。黙示録によれば、神の民は、婚宴に招かれた
客であると言われている(黙示録 19:9参照)。もし彼らが客であれ
ば、花嫁をも代表することはできない。
キリストは、預言者ダニエルが言っているように、天の日の老いたる者
から、「主権と光栄と国」とを賜るのである。彼は、「夫のために着飾っ
た花嫁のように用意をととのえ」たみ国の首都、新しいエルサレムをお
受けになる(ダニエル 7:14、黙示録 21:2)。
み国を受けたのちに、彼はご自分の民を救うために、王の王、主の主と
して栄光のうちに来られる。そして彼らは、天国で「アブラハム、イサ
ク、ヤコブと共に宴会の席に」つき、小羊の婚宴にあずかるのである
(マタイ 8:11、ルカ 22:30参照)。
引用はエレン・G・ホワイト著「各時代の大争闘」 CD-ROM福音社版より。段落わけや背景色は投稿者による。
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